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■症例3>>>結露による劣化

 

建物の外壁は、屋根と同じく最も劣化が生じやすい場所です。とくに雨漏り、結露には注意が必要です。例えば写真13では、屋根のトップライト(天窓)に結露が生じ、また雨漏りなどによる水分の浸入で壁内の劣化が進み、ラス下(外壁のモルタルの下地に貼る横貼りの板)だけでなく筋かいまでも腐朽菌、シロアリの被害を受けていました。

また、壁内通気が悪い場合、もしくは不足している場合にも壁内に結露が生じ、木造建物の壁下地、柱、土台、筋かい等の木部に腐朽菌が発生し、写真14、15のように壁材に腐れが進行していることもありますので注意が必要です。

雨漏りか結露か分かりにくい場合も多くありますし、雨漏りと結露が複合して生じる場合もありますので、慎重な調査が必要です。雨漏りであればまず外部からの漏水個所を調べます。雨に関係なく水分が認められれば結露で、結露は室内側に生じることから、湿度状況を調べ、換気対策が必要になります。しかしその両方というケースもあります。どちらにしても早めの処置が必要です。

 

►基本対策>>>結露には室内の温湿度対策

 

屋根に取り付けられるトップライト(天窓)は、雨漏り、結露原因になりがちです。屋根のトップライト廻りからの漏水に注意し、早めに雨漏りは止めなければなりません。またトップライトの取り付けを行った場合には、結露水の排水処理方法に十分留意し、結露水が壁内に入ることの無いような処理を講じなければなりません。

外壁からの雨漏りも大変多く、木造住宅の劣化を誘う原因になります。とくに開口部周辺からの雨漏り事例は数多く報告されており、十分な注意が必要です。

 

アルミサッシュなどの金属製建具は気密化には効果的ですが、結露が発生しやすくなります。とくに金属製建具は、木製建具よりも結露も生じやすいという欠点も持っています。さらに、金属製建具から壁内に水分の浸入が生じ、結露の原因になっていることもあります。

こうした結露に対しては、室内の温湿度対策が必要になります。また以前から行われていたように、窓を開けるなど、空気の流通も大事な対策の1つですが、室内への機械換気の設置も選択肢になります。

 

■症例1>>>土台・柱脚部の劣化

 

木造建物の劣化(腐朽と蟻害)は、地盤に近い部分がまず湿気を受けやすく、劣化の進行が早いようです。(写真2、3)とりわけ、外周壁の劣化は木造住宅の耐久性、耐震性に大きく影響しますので、まず建物の外周壁の劣化の調査を先行させる必要があります。

 

日本の気候は湿度が高く、地盤面に近いほど湿気を生じやすいことから、土台や柱は腐れや蟻害を受けやすくなっています。ですから、建物の外周壁の足元部分を重点に調査します。

 

外周壁の足元部の壁を切り、剥離します。そして、土台や柱などの劣化の有無や、アンカーボルトの配置を確認してゆきます。同時に、図面上に劣化部分•アンカーボルトの配置・筋かい部分を転記してゆきます。劣化部分は当然取り替えなければなりません。また、土台を接合しているはずのアンカーボルトに、ナットや座金が無いことも多く、アンカーボルトの配置も本来必要となる継手部、耐力壁の部位に無くて、不明瞭な位置にあるケースも多くあります。土台の劣化確認と同時にアンカーボルトの確認が必要です。

 

►基本対策>>>劣化部分の取り替え

 

まずは土台や柱の腐朽やシロアリの被害を受けた部分の取り替えを行います。取り替えの手順は以下の通りです(図6)。

取り替えには木材もヒバや桧の芯持材などの耐久性の高い材料を使用することが望ましいといえます。その後、防腐剤を塗布しますが、耐震補強工事は居住しながらのケースが多いことから、使用する薬剤にも注意が必要です。そのため耐震研究会ではヒバ油を塗布します(写真4)。

 

 

図6►劣化部分取り替えの手順

 

①外周の壁の剥離

②調査事項の確認

・劣化部の調査

・筋かいの種類と位置および接合法

・土台の継手位置の調査

・アンカーボルトの有無と位置

・座金、ナットの有無

・柱脚の接合法

・モルタル(サイディング)外壁材の種類

・ラス下地、構造用合板等の面材の材種と接合法

・柱の位置および柱・間柱の材寸法

③劣化部分の取り替え

・土台、柱、間柱等

・外壁下地材の貼り替え

・金物・接合具(釘・木ねじ)の取り付け

 

■症例5>>>面材(構造用合板等)の接合における被害

 

耐力壁に面材(構造用合板等)を使用するケースが最近急速に増えてきていますが、構造用合板に対する認識不足による施工ミスが、最近の新築現場でも見受けられます。それ以上に既存建物での過去の使用例でも、施工にあたっての技術的認識がまだ浅かったための問題点が多く見られます。軸組工法での構造用合板の接合には、N50の釕が使用されなければなりませんが(表3)、釕の選定ミスや接合方法での問題例も多々あります。

受材に焦点を当ててみましょう。構造用合板の正しい受材に対する認識不足から、受材の寸法不足(特に継手部分)または、受材がないという状態まで見つかります。

構造用合板を壁などに貼る場合には受材が不可欠で、壁に貼る場合、面材の継手部分では、受材の幅は45mm以上必要になります(図10)。しかし既存の木造住宅では継手部分を、通常の間柱材(27mm程度)に止めていることが多いのです。幅が27mmでは2枚の面材の継手幅には小さ過ぎ、釘が外れてしまいます(写真13、14)。

また、打てても強度の期待が持てません。

表3は、N50の釘の打ち方による実験強度です。

 

►基本対策>>>壁の補強法 (面材による補強)

 

耐震補強の原則は壁の補強にあります。壁の補強方法には、筋かい、ブレース(写真15)、構造用合板(面材) などによる方法があります。

 

現在、木造住宅のリフォームで壁の補強を行う場合は、通常、構造用合板が使われています。この時の面材は、土台から梁・胴差し•桁(横架材)まで張りめぐらさなければなりません。そして構造用合板は縦張りとし、外周はN50の釕を、15cmビッチで打ち、固定します。

通常、壁の補強を行う時は、外壁側から面材を貼り込みますが、敷地上などの問題から、外壁側からは工事ができない場合もあります。そのような場合には、室内側から壁の補強工事をしなければなりません。室内側から工事を行う場合には、床も天井も剥がさなければ、土台から桁などの横架材に面材を貼ることはできません。居住した状態のままのリフォー厶では、天井•床を壊すことができません。そこで天井から床までの既存の壁を利用して補強する方法の開発が必要になります。壁の両側の柱の上下仕口部分を金物(ML金物)等で固定し(写真16)、受材を取り付けて構造用合板を貼る方法もあります。この場合には、横架材(土台・胴差し•桁)と柱の金物接合を行い、構造用合板の外周壁の釘接合が重要になります。とくに構造用面材の上下端部の受材は必須といえます。この工法は耐震研究会の独自の工法で、1997年に「川崎型補強」として実験・学会で研究発表も行いました。

また、釘のめり込みについても注意が必要です。機械釘で釘を打つ場合には、釘頭が合板にめり込んでしまい効果が低下してしまうことが頻繁に起こるので、釘の使用に十分配慮しなければなりません。構造用面材を使用する際の釘の種類と施工方法にも注意しなければなりません(表3参照)。

 

■症例6>>>2階床組みの問題

 

水平剛性を高めるためには床面と横架材(胴差し•梁•桁)が、直に接合されていなければなりません。そのためには、根太と横架材の高さを揃え、構造用合板を直に貼る必要があります。既存の軸組み工法の建物を見る限り、横架材の上に根太が載り、2階床面(構造用面材)との間に隙間が空き、釘の接合が行われていないケースもしばしば見かけます。

渡りあご(写真17、※1)または横架材の上に直接載っている(写真18)場合もあ((転ばし根太、※2)、構造用合板が横架材に釘で接合されていないだけでなく、根太から釕を斜め打ちにしたために、根太までも割れてしまっていることもあります(写真18)。また、写真19のように火打ち梁は入っているものの、横架材の継手位置に火打ち梁を取り付けているケースもよく見かけます。

また、その他に吹抜けの位置にも注意が必要になります。

※1:渡りあごは、横架材の上を渡るように根太を取り付ける場合、床板との間に隙間ができる。そのため連統して釘を打つことができない(P071参照)。

※2:転ばし根太とは、横架材の上に載せた根太。

 

►基本対策>>>水平構面の補強

 

2階床の板は、横架材に直接打ち込み接合します(図13)。この場合の釕はN50の釘で15cm間隔に釘を打ち込んでゆきます。もちろん、2×4用のCN50の釕でもよいことになります。

また、吹抜けは極力避けるのが賢明ですが、やむなく吹抜けを設ける場合には東西南北面の一面にだけ寄せて吹抜けを取り付けるようにします。火打ち梁により水平構面を固める場合には、横架材の継手部分は横からの力に弱い状態ですから、この部分に横からの力がかからないように配置することが必要です。しかし意外と、継手部に火打梁がかかっているケースを見かけることがあります。

床面を固める方法としては構造用面材のほかにも、ブレースなどで補強する(写真20)ケースもあります。ブレースで補強する場合は、2階床側、または1階の天井を剥がして行います。

 

■症例7>>>柱の引き抜け

 

木造住宅にとって接合部分は構造的な弱点ということがいえます(P070参照)。

地震の時に木造建物の中で、まず初めに 被害を受けるのが接合部です。中でも最も多いケースが柱の引抜けです(図14)。

阪神淡路大震災被害以降、注目が集まるようになりました。

これまでの木造住宅は土壁なとの柔らかい壁で構成されていました。また柱を接合する習慣も薄く、平成12年頃までの住宅金融公庫の仕様ですら「柱にカスガイで留める」と記されている程度でした。ところが、壁に面材などが使われ強くなると、柱に引き抜け力が生じ、カスガイでは抑えきれなくなります。

既存建物の多くは、この柱が土台の枘に差し込まれています。または、枘差し込み後カスガイ接合程度でした(公庫仕様の場合)。

ですから阪神淡路の地震被害を受けて、柱の引き抜けが生じないような仕様が求められるようになったのです。写真21は、能登半島地震(2007年)で柱が引き抜かれ、土台が割れてしまった例です。

 

►基本対策>>>柱と梁の仕口の補強

 

柱が土台の枘に差し込まれただけの状態では、地震力が生じて壁が変形すると、土台から柱が抜けてしまいます。阪神淡路大震災ではこのような被害が多く、その結果木造住宅に大きな被害を与えてしまいました。伝統的工法の場合は、込み栓(柱などの枘が抜けないよう打ち込むくさびがたの木栓)などの方法が行われてきました(図16)。ところが、近年の木造住宅では、込み栓が利用されることはほとんどなくなり、カスガイで留める程度になっていました。そのため、地震の時に柱が抜けてしまったのです。現在では柱と土台を金物(山形金物・写真22)で留める方式が採用されています。

 

梁や桁などの横架材の場合は、大入れあり掛け加工(図15)、羽子板ボルトが多く使用されます。

 

写真23、24は新潟県中越沖地震のものです。写真23では横架材が割れ、抜けかかっていますが、写真24では被害を受けていません。金物の役割の効果が見られます。

 

■症例1>>>お神楽が行われた木造住宅の問題

 

平屋に2階を載せれば、建物は重くなります。当然、基礎の補強が必要です。しかし、基礎が補強されたお神楽をほとんど見たことがありません。地震力は建物の重さに比例しますから、2階を増築する場合には1階の壁の補強が必要です。そして、1階と2階の部分をしつかり接合しなければなりません。

2階の増築(お神楽)の時には、基礎・1階の壁の補強・接合部の補強が必須な条件といえますが、残念ながら、このような補強はほとんど行われずに、お神楽の増築が行われてきたのが実態です。写真2は、2階部分を載せ、外壁の四隅に柱を抱かせる程度の補強しか行われていません。

写真3では、増築した住宅の外壁を剥離したところ、接合部分は金物の接合等の補強がされていません。

写真4は、補強時に上下階の柱上下にML金物を取り付け、ボルトで補強し、壁にはブレースを取り付けています。

 

►基本対策>>>お神楽の建物の補強

 

2階部分の増築が多く行われてきたが、増築工事をした木造住宅の補強について考えてみましょう。

お神楽の木造住宅は、とくに基礎の補強、 壁や接合部の補強をしっかり行わなければなりません。

基礎は、建築基準法制定以前は、独立基礎でした。制定後の木造住宅の外周は布基礎になり、その後内部の基礎も布基礎と定められました。したがって、お神楽の補強を行う場合は、1階の壁の補強(写真5)、増設の接合部、基礎の補強などが必要になります。お神楽の場合には、前頁の写真2のように柱を外側に通し柱のように増設していることが多くありますが、これだけでは2階の建物の重さを受けることはできません。1、2階の接合部の補強(写真6)と、また2階の床の補強も必要です。

お神楽は、日本の急激な高度経済成長を象徴しているようです。しかし、日本は地震国ですから、決して望ましい増築のあり方ではありません。2階を増築した建物で、補強を行っていない建物は、補強が急務になります。

 

[対策]

*基礎の補強

*1階壁の補強

*1階•2階の接合部の補強

*2階床の補強

 

■症例2>>>平面的増築の被害例

 

増築を行う場合には、接合部分に問題を生じることが多くあります。写真7では、増築部分の接合不良により、増築部分が倒壊してしまった例です。倒壊はしないものの外壁部分にクラックが入る(写真8)場合や、増築部分の接合状況が悪く、増築したことにより建物がよじれ、既存部分と増築部分が切り離されてしまうこともあります(写真9)。

写真7のような場合には偏心の検討が必要になります。写真10は、分離型の増築例ですが、接合部分が短いことから、接合部の負担が大きく、雨漏りなどを生じることが多くなります。

 

►暮本対策>>>増築部分補強のテクニック

 

木造住宅の増築を行う場合には、まず基礎を調べて下さい。既存建物が無筋コンクリートの場合には、基礎を抱かせ鉄筋コンクリートの基礎で補強して下さい(写真11)。建物のバランスにも配慮する必要があります。P095の図2②のようにL型に一部増築するケースは多く、敷地形状・既存建物の平面的制約上やむをえない場合もあります。その場合には、壁配置・接合部分に十分注意して計画•施工を進める必要があります。

接合方法については、釘接合程度では弱く、金物•ボルト•面材を利用し(図3)、接合することが望ましい方法です(写真12)。

増築部分の接合部には、既存建物に増築部分からの異なった力が生じてくることから慎重な検討が望まれます。状況によっては、エキスバンションジョイントを入れるなどの検討も必要になります。

リフオーム工事の場合には、責任の所在が難しくなります。もちろん直接的には工事を行った業者の責任になりますが、建築主、以前の業者、今回の業者、それぞれが負うべき黄任もあり、最終責任の所在が不明確になりがちですので、留意が必要です。