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リフォーム業者は日進市のユーアイファクトリー工務店にお任せを

住宅耐リフォームの心構え

 

日本の住宅政策は新築重視だった

 

日本では最近まで、住宅問題というと新築が中心で、リフォームの扱いは片隅に追いやられてきました。戦後日本の驚異的な経済復興の原動力として、政策的にも「土建国家日本」の姿が見てとれます。この間一貫して住宅着工戸数は日本経済の重要な指針でもありました。しかも徹底した新築指向だったといえます。

ところがその新築も、何が根拠か示されないまま税法上、木造住宅は22年前後で償却扱いとなってしまい、中古住宅の評価は法的に認められているとはいえない状況が続いてきました。新築同様の全面リフォームをしても、柱1本を残せば中古住宅です。そして新築住宅も1年過ぎると中古住宅となってしまいます。

これまでに、中古住宅を売却しても正当な評価をされず、悔しい思いをされ、矛盾を感じた方も多くいらっしゃると思います。私もまったく同感です。既存住宅を評価する基準が無いために、たとえ新築住宅より価値ある既存住宅であっても、正当な評価が行われないことに疑問を感じざるを得ません。中古住宅の正当な評価が行われる住宅政策を、筆者も切望しています。

中古住宅のリフォームと新築工事の違いについて考えてみましょう。

新築工事は、建築主と建築業者との契約で、一般的には基礎工事からすべてを1社の責任で施工されます。一部の工事を他社に発注することももちろんありますが、基本的には施工責任は1社が負います。

これに対してリフォームエ事は、既存建物の施工業者とは別の業者が取り組むケースが多くなります。ですから、施工方法や工事区分、リフォーム工事により既存建物に与える影響など、いくつもの問題が出てきます。とりわけ、既存部分とリフォーム部分との境目で問題が生じるケースが目立ちます。

こうした問題が生じた時、建築主とリフォーム施工者はどう考えるのが良策なのでしよう。筆者は、このような場合の責任区分をはっきりさせるために、事前に建物の調査を行うことをお勧めしています。リフォームは家の手術です。手術の前には必ず正確な検査が行われます。検査もなしに手術するなどという乱暴なことは決してしないはずです。

事前の建物検査の目的は、既存建物の情報を整理し、建物のカルテを作ることです。

カルテがあれば、リフォームの前後の比較や必要な工事を明確にできます。リフォームの成否を左右する第1の鍵はここにあると思っています。

 

リフォー厶工事の特殊性

 

リフォームを考える際の第2の鍵は、リフォームは新築と異なり、時代背景に配慮しなければならないということです。建築基準法は昭和25年(1950年)に制定され、すでに66年が経過しています。その間には災害による被災経験や、社会的•経済的背景、技術の革新等の影響のもと、建築基準法も変遷を繰り返してきました。

また、住宅に使用される材料も建築様式も変わってきました。建築基準法が制定された頃の住宅は和風建築が中心で、建築材料もそれに沿うものでした。しかし最近の住宅は、洋風化しています。その結果、建築に携わる職人の世界にも変化が生じています。

和風建築の代表的材料である畳•襖は住宅現場から激減し、木造住宅の外周の建具も、木製からアルミサッシュに変わり、木造住宅の中心的な職人である大工職人の仕事も、墨付け手加工の時代から機械加工になってきています。

こうした変化に伴い、問題も多様化してきています。建築の現場も少子化の波を受け、職人などで構成する協力業者は零細企業が多いため世代交代が進まず、何代か続けてきた店を閉めることをよく耳にします。

一番の理由は経済的な背景によるものです。内需中心であった昭和初期から、外需に力点を置く経済政策の影が、産業界にも及んできた結果によるものと思います。

建築会社内部においても、以前は現場の声が強かったものが、最近は営業の声が強くなっていることからも、建築業界の変化を感じます。このため、現在もっとも危惧されているのが技術の継承です。技術は一朝一タには習得できません。資格制度に力点を置くことも大事ですが、現場で汚れ、汗をかくことで技術は身に付いてゆくものです。ですから、現場で働く技術者(職人)の技量にも目を向け、社会的地位の向上を考えて行かなければ、現場での働き手を確保することはできないと思います。

新築の物件なら工場生産を中心に行うことも可能と思いますが、リフォームの場合には違います。増築•改築工事の時には、機械加工(プレカット)は困難です。現場の状況に合わせ加工•造作をしなければなりません。しかしそれが出来る技術者、職人が不足しています。

リフォームは、建築基準法の変遷•地域性•建築物件の多様化•技術の変遷等を十分に頭に入れて行わなければなりません。こうした背景があるからこそ、リフォームを失敗しないためには、準備を整えることから始めることが大切なのです。

そのためには、

  • 既存建物の調査を行う
  • どのような工事が必要になるか
  • 自分たちが望むリフォームの目的

などを加味したうえで、技術力のある業者 を選定しなければなりません。

 

耐震リフォームの必要性

 

日本が地震国であることは、恐らく日本人のほとんどの方が理解していると思います。昨年(平成28年)も4月14日(M6.5)、16日(M7.3)に熊本県で震度階7の地震が発生しております。10月21日には鳥取県においてM6.6、11月22日には福島県沖でM7.4の地震が発生し、多くの被害を各地にもたらしました。政府も耐震化の目標を挙げておりますが、実態は思うように進んでおりません。

1981年に新耐震基準、2000年に性能規定制度等法改正もあり、木造住宅の耐震性能は確実に上がっております。神戸の震災後多くの実験も行われてきており、耐震補強の有効性は確認されております。

筆者も神戸の震災以後、各地の震災地の調査を行ってきました。そして常に感じてきたことがあります。震災地での倒壊率は概ね2〜3%です。もちろん地域差はありますが、震度に比例した被害といえます。

被害を生じた原因は、地盤状況、建物の耐震性の差といえます。

倒壊した建物に隣接する建物が、無被害にある光景も、被災地でよく見かけてきました。原因は明らかです。先述したように耐震性能の差です。もちろん新築住宅は、法改正もあり、既存住宅よりも被害が少ないのは当然のことですが、震災地の中古住宅においては、まだまだ耐震補強も進んでおらず、建物により被害差も激しく、耐震補強の必要性が強く感じられます。

筆者の願いは地震被害を少しでも無くすことにあり、そのための研究活動を続けてぎました。

既存建物調査を行い、耐靈性能の向上を効果的に行うことを目的としてきました。さらに耐震性のみならず、劣化対策、その他の構造補強行い、既存建物の耐用年数の向上に向けるべき活動をしてきました。

それらの活動を通じて、耐用年数の向上は可能であると確信しました。既存建物のリフォームとともに耐用年数の向上を目指すことが今後の目標です。

現在は費用をかけて耐震補強やリフォームを行っても資産上評価されないため、リフォームや耐震補強の推進が阻害されております。地震活動期にある今日、毎年のように地震被害により日本人の財産、生命が失われております。1日も早く木造住宅の正当な評価のもと耐震リフォームの評価が行われ、安全な家造りの進展が望まれます。

 

相見積もりの危険性を知っておく

 

技術力は見積り金額には出てきません。金額の安さだけを業者の選定基準にすれば、失敗は目に見えています。むしろ、技術力のある会社は先読みをした見積もりを出す結果、金額が高目に付くことがよくあります。

よくいわれている相見積もりを取って業者を選定することは、その意味で危険なことなのです。

まず、既存建物の調査を行い、自分たちの望むリフォームの目的と範囲を決め、技術力•実績のある業者を選定することが大切と思います。内容が不明確状態で相見積もりをとるこの落とし穴に注意してください。

業者の側から見れば、建築主から同じ条件提示された場合には、見積り単価にはそれほどの差は出ません。あとは施工方法により工事単価が変わることがあります。

ですからリフォームの場合には、

  • 事前調査により既存建物の状態をどのように判断しているか
  • 材料、仕様の選択•決定理由、および工事内容による工事会社の選択

などにより、工事単価は変わります。技術力の伴わない工事会社を選択してしまうと、仮に初期単価は安くとも、一番高い買い物になってしまう訳です。

相見積もりで工事会社選考を考える場合には、こうした事情をご理解のうえ、慎重に考慮されることをお勧めします。

本書は、リフォームを行う技術者、リフォームを検討中の建築主に向けたテキストを目指していますが、できればこれからリフォームを考えようとしておられる住み手(将来の建築主)の方にも読んで頂ければ幸いです。リフォームは、住み手の希望と、その希望をどうしたら実現できるかを工夫し努力する設計者・施工技術者が、一緒に考え、練り上げて行くことが不可欠だからです。

問題が生じた場合にも、建築主•施工者が互いの立場を理解し、お互いが黄任を持ちあう対応が大切です。間違っても一方的な意見の押しつけは慎まなければなりません。リフォームの成否は、建築主•施工者双方のこうした姿勢次第といえます。

日本においては「リフォーム工事」への認識はまだまだ不足しています。中古住宅の評価、リフォーム工事の特殊性を十分に織り込んだ住文化を日本に根付かせていくことが大切と思っています。

 

 

基礎と地盤対策

概要解説

 

まず建物の基礎と地盤を 見てみよう

 

P157の年表にもある通り、建築基準法が制定されたのは、昭和25年(1950年)です。それ以前の昭和初期までの木造住宅の多くは、大きな玉石(独立基礎)の上に柱が直接載る工法でした。その後、玉石はコンクリートで作られるようになりましたが、柱が固定されていない状態は戦後まで続いていました。建築基準法の制定以降は、平屋は布基礎でベースなし、2階建は12cmの厚さのベースとされていました。そして、「基礎は連続」と定められたものの、その対象は外周のみ、内部側は独立基礎のままでした。布基礎とは、断面が逆T字型の鉄筋コンクリート製の基礎。ベタ基礎とは、建物の底部の平面全体をコンクリートで板状に固めた構造の基礎。軟弱な地盤では杭基礎(地下の硬い岩盤まで届くように杭打ちを行った基礎)が採用されます。建物を支持する力は、杭>ベタ>布>独立となります。

昭和46年(1971年)になって、内部側も布基礎とするよう改められ、基礎の形状は定められましたが、地盤についての規定は明確な定めがありませんでした。このように、基礎の構造1つとっても時代とともに規定も変わってきています。新築と違ってリフォームは、上のいつの時代に建てられたかにより、対応は当然、大きく異なるわけです。また同じ理由から、これから基礎の計画を立てるためには、同一建物においては同一形式の基礎で画することが原則です。水の流れをイメージして下さい。中で力の流れを変えたり、基礎の強度や形式を変えたりすることがないように考えることが必要です。以下、本章ではさまざまな時代に建てられた木造住宅の基礎について、実際に出会った症例を紹介しながら、事前調査から判断の基準、具体的な対応策、留意点などをまとめてみました。あわせて、土留や擁壁の補強についても検討していきます。

基礎がいくら強固に造られても、基礎を支持する地盤に問題があれば意味を持ちません。軟弱な地盤、造成された地盤などにより、地盤改良は必要になりますが、日本の70%以上が山地であることから、造成された土地は多くあります。造成は2m以下の場合には省略されていますが、必要性が感じられる場合には当然行わなければなりません。

 

基礎と地盤木造の基礎には、独立基礎、布基礎、ベタ基礎があります(図1)。また、地盤が悪い場所では、杭を打ち込むこともあります。さらに地盤改良といって表層の地盤が悪い場合には、地盤の取替え、締め固めをすることもあります。

また木造の基礎を設計する場合には、異なった形式の基礎(異種基礎)を使用すると不同沈下(不均衡な沈下)の原因になることから、異種基礎は使用しないことがルールになっています。このように本来、基礎の形状は、地形•地盤と建物を検討した結果で決めるのが本筋です。住宅が常に堅牢な地盤に建てられているなどということはありません。同じ地盤でも、軟弱な地盤、盛土地盤、傾斜した地盤などもあります。また、砂地•粘土質•シルト(泥)などのように土質も種々様々です。これまでの法規定ではこの点が曖昧で 、結果として、基礎に対する施工者の意識も薄弱だったといえます。とくに昭和56年(1981年)以前の2階建ての調査では、木造建物の基礎のベース厚さが12cm(旧基準の寸法)以上あるケースは2割以下でした(既存建物の基礎の調査・一般法人耐震研究会調べ)。図2のように旧公庫(現在の住宅金融支援機構)の仕様書でも初版はベース厚が12cmとなっています。

地震は地盤災害といえます。2011年3月東日本大震災では、原発•津波被害に注目が集まっていますが、東北地方各地、関東地方においても液状化被害、丘陵地における地盤被害が各地で生じていました。ようやく最近、木造住宅の地盤の調査が義務づけられるようになりました(平成12年•2000年)が、その大半がSWS試験(※1)を行ってお茶を濁しています。しかし、SWS試験で判定できることはごく限られています。

また、建築構造の専門家、地質の専門家はいても、建築と地盤の専門家はいません。まさにグレーゾーンが存在しているのが実情です。したがって、誰が基礎の構造を決定するのかといえば、設計者、施工者に他なりません。地盤業者(※2)任せではいけません。それぞれの立場の技術者からの問題点や意見を聞くことが肝要です。人任せの基礎と地盤の設計は避けなければなりません。

※1:スウェーデン式サウンディング試験=重量沈下測定法と呼ばれ、重りをかけてスクリュー錘を地中に挿して地盤の強さ(支持力)を調べる方法。

 

※2:地盤調査から地固めの諸工事は、専門の地盤業者に委ねられることが多い。

 

建築基準法が示す最低限の基礎設計

 

法律に基づく最低限の基礎設計は、建築基準法施行令38条を確認することから始まります。ポイントを纏めると次のようになります。

①建築物に作用する荷重と外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下と変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない

②異種基礎にしてはならない

③仕様規定にもとづいた構造方法を用いる(平12建告1347号)

④または構造計算する

 

①で重要なのは「地盤の沈下と変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない」という部分であるにもかかわらず、地盤の性能を無視した上物(建物)だけを考慮した、基礎設計が少なくないことです。地盤の性能に基づいた基礎設計とするため、平成12年の国交省告示1347号では地盤調査で地盤の長期許容応力度を求め、それにもとづき基礎形式を選定するように求めています。

 

表1は、建築基準法と瑕疵担保保険の「設計施工基準」にもとづいた基礎形式選定の規定を比較したものですが、内容が少し異なっています。

瑕疵担保保険の設計施工基準では、自沈層の有無によって基礎の選定を求めています。これは、おそらく、不同沈下事故の原因が、地盤の許容応力度不足よりも地盤の不均質性や、自沈層の有無(地盤の変形)が問題となることが多いためでしょう。

建築基準法でも基礎下2〜5mの範囲に自沈層が確認された場合には、沈下等の検討や地盤補強などの措置を講じることを定めていますが(平成13年国交省告示1113号)、瑕疵

担保保険は自沈層の状態によっては「基礎杭•地盤改良などの補強が必要」としており、建築基準法より厳しい基準となっています。

これまで、建築基準法で地盤補強の要否は確認申請でもチェックすることはなかったのですが、住宅瑕疵担保履行法の施行により、瑕疵担保保険への加入が義務付けとなり、これにより地盤補強の要否におけるチェックを受けることになったといえます。

表1►基礎形式の選定基準の違い

 

建築基準法

瑕疵担保保健の設計施工基準

基礎形式の選定

長期許容応力度( kN/㎡) による選定

・20kN未満:基礎杭

  • 20〜30kN :べた基礎
  • 30kN以上:布基礎

・70kN以上の場台:無筋コンクリート、土台を 設けず柱を基礎に緊結する形式または平屋で土台を設けず、足固めを使用して柱の下部どうしを一体化するようつなぎ、地盤に礎石などを數き並べ柱を礎石上に立てる形式が可能(平12建告1347号)

※旧公庫・品確法の性能表示(等級1)も同様

 

(地盤の許容応力度に関する規定はなし。ただし 平12建告1347号の数値(20kN/㎡)をも

とに構造計算を行ったべた基礎の配筋表などによる)

 

自沈層の有無などによる検討

 

・液状化するおそれのある地盤の場合、または、SWS試験で基礎底部から2m以内の距離に1kN自沈が、もしくは基礎底部から2mを超え5mの範囲に0.5kN以下の自沈が確認された場合は、建物の自重による沈下、地盤の変形などを確認しなければならない(これが地盤補強の要否の一般的な判断基準となっている)

(平13国交告1113号)

 

・深さ2m以深10m程度の間に0.5kN自沈以下が連続で100cm以上、または合計で200cm以上ある場合(深さ2m以深5 mの間に自沈層がない場合をのぞく):基礎杭、地盤改良などの補強

・深さ2 m以浅に「0.50kN自沈」以下が合計して50cm以上ある:基礎杭、地盤改良などの補強

・計測点すべてが「0.75kNゆっくり自沈」以上の場合で、各計測点のデータがほぼ同一:べた基礎

・計測点すべてで自沈屠がない:布基礎

 

 

木造基礎と表層地盤の 留意事項

 

木造住宅の基礎工事の現物管理をするにあたり、留意事項をまとめます。まず地盤状態の把握が必要になります。仮に基礎設計が定められていても、それは限られた情報の元の結果です。木造住宅の構造の特性上、最も影響を受けるのが表層1m程度の部分にあります。

この部位は地盤調査では未調査部分になっている場合が多いのです。地盤表層部は盛土層であり、既存建物の解体時に荒らされることが多くあります。そのため現場の作業次第で地盤条件が変わってしまうことに注意しなければなりません。

直接基礎の底盤下は、深さ40〜500cm程度の深さの未調査部になります 。したがって基礎の底辺部の状況と処理は重要です。直接基礎の場合、基礎底部1m〜2mの地盤状態が圧密沈下など最も基礎に影響することから、周辺地形の確認、現場の地質判断、作業方法に注意が望まれます。

リフォーム業者は名東区の耐震住宅専門店ユーアイファクトリー

〜亡きご主人の意思を継ぐ〜

「愛犬と暮らす ルーフデッキの家」

 

村松家の愛犬アスカは6歳のコリー犬である。1歳の時に家族の一員となった。コンクールで上位に入賞した実績をもつ、美しい毛並みのコリーだ。

その昔、白黒テレビが日本に普及しはじめた頃、『名犬ラッシー』というドラマが人気を博し、主人公であるコリーの名前が全国に広まった。日本人にとってコリーは最初に知った洋犬名であろう。

コリーはもともと牧羊犬だが、家庭犬としても世界的に人気が高い。外見は力強く、しなやかで美しい。さらに、性格も穏やかで優しく、飼い主に忠実な気質を兼ね備えている。万人に愛される犬種の一つだ。

そんなコリーと暮らせる住まいを岩手県盛岡市に訪ねた。

 

飼い主に忠実な愛犬

 

村松家の愛犬アスカは、とても躾が良い。目の前に餌があっても飼い主の許可が出るまでは食べない。また、家族の一員になったときから玄関が居場所になっていて、決して家の中に上がり込むことはなかった。

しかし、たった一度だけ、玄関の土間を超え、家の中に入ったことがある。

それは2003年秋の夕方、奥さまが仕事から帰ったときのことである。いつもは玄関の土間にいるはずのアスカがいない。不思議に思い奥さまは居間へ行ってみると、畳の上におとなしく座り込むアスカの姿があった。そして、アスカの目の前には、あろうことか、ご主人が脳出血で倒れていたのである。アスカが異変に気付き駆けつけたのか、あるいは、ご主人が薄れいく意識の中でアスカを呼んだのか、真相は不明だが、倒れたご主人のすぐそばに心配そうに寄り添う愛犬アスカがいたのだ。

その後、ご主人は救急車で病院へ運び込まれ、およそ一週間の昏睡状態のあと、静かに息を引きとった。

 

亡きご主人の意思を継ぐ

 

生前、村松さんのご主人は家の建て替えを検討していた。市役所の定年退職を数年後に控え、愛犬と暮らす「終いのすみか」を望んでいたのである。当時、設計を担当していたのは、盛岡市内に設計事務所を構える翼プランニングの三浦さんであった。設計の打合せは全てご主人が一人で行っていたため、ご本人が他界された時点で、建築計画そのものが頓挫したものと三浦さんは思っていた。

ところが、ご主人が亡くなられてから数ヶ月後、奥さまから三浦さんへ意外な言葉が伝えられる。「主人の意思を継いで家を建て替えたいと思います」と…。

ご主人は財布に三浦さんの名刺を入れて持ち歩いていたことや、たくさんの建築計画のメモが出てきたことなどから、ご主人の供養のためにも家を建て替えることにしたといぅ。

2004年の秋、一周忌を過ぎたころ本格的に建て替えの計画を再開することになる。

 

想いの詰まったプラン

 

記者も建築家として、これまで多くの住宅設計に携わってきたが、家を建て替える動機が「供養のため」という経験はない。今は亡きご主人のために、設計者へどんな要望を出したのか?建て主の村松さんへ率直に聞いてみた。

「基本的な間取りは、生前主人が三浦さんと打合せしていましたので、そのままの間取りで建てようと思いました」と村松さん。

「ただ、いくつかの要望を追加しました。…主人の仏壇は家族の集まるリビングの中心に配置したいこと。そして、愛犬のアスカの居場所を仏壇から見渡せる場所に設けてほしいこと…」

記者は言葉に詰まった。

室内を見渡すと、確かに仏壇はリビングの出窓の並びに埋め込んであり、ご家族の生活の中心に配置されている。正面には、柵ごしに愛犬のスペースが見える位置だ。亡きご主人の居場所がしっかりと設えてある。まさに村松さんご家族のご主人への想いを強く感じさせるプランになっている。

「各個室の床面積は必要最小限としながらも家族の集まるリビングだけは縦にも横にも広がりを感じるよう心掛けました」

設計を手掛けた三浦さんのお話どおり、解放的で広く明るい空間だ。

「ここが主人の部屋なんです」と話す村松さんの目は優しさに包まれていた。

 

設計のコンセフト

 

■ご主人の供養としてのデザイン

リビングの中心の出窓に仏壇を埋め込む。さらに愛犬の居場所が見える配置とした。

 

■大型犬のコリーと暮らしやすい住まい

一般的に「コリーは家族と一緒に過ごすことを至上の喜びとしていること」、そして「建設地が寒冷地であること」などの理由から、リビングの一画に犬舎を配置した。また、大型犬の運動量に日常的に対応するため2階リビングに隣接して犬舎から直接出入り可能な12帖強のルーフデッキを設けた。

 

■明るい室内

良好な日照と通風を目指して2階リビングとした。また、1階に光を導くため、2階リビングの一部の床をポリカーボネート板とし、天窓から降り注ぐ光がリビングを通して1階廊下へ到達する工夫を施した。

 

■老後も快適に過ごせる「終いのすみか」

将来的にも環境の優れた2階で暮らせるようにホームエレベーターを設置している。

 

■冬暧かい住まい

蓄熱式暖房機による全館暖房とした。「家中暖かくて満足していますが、当初、季節の変わり目の温度設定が難しかったです」と村松さん。

 

設計に盛り込んだ主な建築材料等

愛犬と暮らすための工夫

■消臭効果のある内装•貝殻漆喰(チャフウォール)。ペットの臭いを消す目的で採用した貝殻漆喰だが「オープンキッチンの料理の臭いまで消してくれて、とても快適です」と喜ぶ村松さん。

■居間に犬舎を設ける•床材にFRP防水。

 

家づくりの具体的な内容•要望

■以前の家は日当たりが悪く昼間でも照明を必要とするほど暗かったので、とにかく明るく。

■盛岡は冬の最低気温がマイナス10度を下回る極寒の地だが、暖かく過ごせるように配慮する。

■車3台分の駐車スペースが必要。

 

ルーフデッキが庭の代わり

 

日本のように敷地や床面積が狭く、しかも土足ではない生活環境で、大型犬のコリーと暮らすには様々な工夫が必要になる。村松さんのお宅では、愛犬とどんな日常生活を送っているのだろうか。

「約1時間の散歩を毎日2回欠かしていません。大変ですけど、コリーにとっては大切な日課ですし、飼い主にも良い運動です(笑)」と村松さんは前向きだ。

もともと牧羊犬だったコリーは、かつて従事していた牧羊作業でかなりの運動量をこなしていた。そのため家庭犬として飼育する場合は、長めの散歩やジョギングなどを毎日欠かせない。可能ならば広い庭を作り、家にいるときも自由に走りまわって必要な運動量を補えればいいのだが、日本の住宅事情では難しい。そこで、設計する際にどんな工夫をしたのかを三浦さんに聞いてみた。

「大きな庭があるのが理想ですが、村松さんのお宅は敷地面積が約5 8坪です。そこに車3台分の駐車スペースが必要でしたので、庭の確保は困難でした。加えて南側隣家の日影の影響や通風にも配慮が必要な敷地条件でした」

と当時の設計条件を振り返る三浦さん。

「まず限られた空間を最大限活用するために2階に庭を設けようと考えました。リビングを2階に配置し、日照と通風を確保します。さらに車庫の屋根部分に大きなルーフデッキを配置しました。およそ12帖強のルーフデッキが庭の代わりです」

と笑みを浮かべながら三浦さんはさらに説明を加えた。

「コリーは家族と緒に過ごすことを至上の喜びとしていますので、リビングの一画に犬舎を配置しましました。リビングの一部の床仕上げをFRP防水とし、その周囲に柵を廻して犬舎を作りました。ルーフデッキへは犬舎から出入りできる配置です。また、散歩に出掛けるときはルーフデッキから外部階段を使って、直接外へ出られるように考えました。」

リビングに犬舎とは面白い。盛岡市内は冬季の最低気温がマイナス10度を下回る極寒の地だ。家族の一員である愛犬への防寒対策としても有効な手段であろう。飼い主が不在となる昼間はルーフデッ キがアスカの居場所になっているが、天候の悪い冬場はリビングの犬舎で過ごしているらしい。

 

入居されて3年目

 

竣工してから今年で3度目の春を迎える村松さんのお宅。入居してからの満足度を聞いてみた。

「正直なところ満足度は80%くらいです。施工を担当した一部の専門工事業者に多少の不満が残りますが、設計者の三浦さんには100%満足しています」

と、ご長男の敬之さん。20%の減点分は、内装の仕上げに若干のムラがあり、職人さんの腕に対する不満だという。

「ただ設計に関しては、私たちの要望のほとんどを満たしてもらい本当に感謝しています。前の家は、昼間でも照明を点けないと薄暗いリビングでしたが、今度の家は、全体が明るくなりました」と村松さんは嬉しそう。

同じ敷地なのに以前と比べて格段に室内が明るくなったという。以前の住まいと、どこが違うのか設計者の三浦さんに聞いた。

「まず、良好な日照と通風を得るために2階にリビングを配置したところが大きな違いです。リビングにはハイサイドライトや天窓を設けて、より明るくしました。また、1階に光を導くために、2階リビングの一部の床をポリカーボネー卜板として、天窓から降り注ぐ光がリビングを通して1階廊下へ到達するように工夫しました」

1階は個室3室と浴室などがあり、2階には奥さまの部屋とリビング・キッチンなどが配置されている。2階にリビングを設けると階段の上り下りなど、老後の生活が不安になるが、村松さんのお宅ではホームエレベーターを設けることで将来に備えている。

 

家族の成長や変化が節目に

 

村松家の住まいの歴史には3度の大きな節目があった。結婚されてから現在までの住まいの変遷について伺ってみた。

「最初は結婚して2年目に分譲住宅を購入しました。持ち家住まいのスタートです。そこで8年ほど暮らしましたが、子育てのため主人の実家に近い場所へ住むことになり、今の土地に中古住宅を購入しました。これが2度目の節目です」と話す村松さん。

「そして今度は、主人の他界です。いま振り返ってみると、すべて家族の成長や変化がキッカケになっているのがわかります」

建売住宅や中古住宅に2度住んでみて、次は注文住宅を建てたいという思いが強くなっていたという。実は三浦さんと出会う前、ハウスメーカーにもプランを作ってもらったことがあるとか。

「あるハウスメーカーの提案は、単に2階に居間を配置してあるだけで、ほとんど工夫がなく、犬への配慮も足りないと思いました。幾度かハウスメーカーと打合せを行っているうちに不満が募り、次第に設計事務所に頼むことを考えるようになっていました」

建て替えを考えはじめてから数年間を家づくりの勉強に費やして、最終的に三浦さんに辿り着いたという。

ひとむかし前までは、犬は外で飼うのが一般的だった。小型犬ならまだしも、コリーのような大型犬と室内で暮らすのは、ドラマか映画の世界の話…夢だったはず。

村松さんのお宅は、特に大きな敷地でもなければ、大邸宅でもない。住宅としてはごく普通の規模だがコリーと共に、豊かに暮らせる環境を手に入れることができた。

「アスカは家族の一員です」と言い切る村松さんの愛犬への深い愛情と、亡きご主人へのご家族の想いが、難題を克服する原動力になったに違いない。

 

工事金額は建て主と各工事を請け負った専門工事業者が契約を交わした金額。分離発注方式では、工事が完了した部分から工事費の支払いをする必要がある。建築士が出来高により査定をして建て主に報告を行い、建て主が専門工事業者に直接支払いを行う。支払い額は支払いを行った月ごとに集計したもの。工事金額と工事実績金額に差があるのは、工事中の設計変更等によるもの。

外部サッシはアルミサッシ(トステム(株))と樹脂サッシを採用。樹脂サッシはクレトイシ(株)社製のニューキャッスル。北米(力ナダ)でデザインされ、北海道で生産している。サッシ枠は赤•青などアルミサッシではあまり見られない種類がある。また、一般的なペアガラスは中間層に乾燥空気が充填されているが、このサッシにはアルゴンガスが充填されたペアガラスがはめ込まれている。アルゴンガスは乾燥空気に比べ熱を伝えにくいという性質を持つので、断熱性能が高くなる。

 

洗濯・掃除・キッチンの動線を主婦の視点で

 

掃除はしやすそうですか?置き家具が多いと隙間にホコリがたまります。掃除道具の置き場や雑巾を洗うシンクの位置に問題はありませんか?

家事の中で最も移動距離の長いのが洗濯です。洗濯機で洗う→干す→取り込む→アイロンを掛ける→クローゼットにしまうという一連の作業を追って、動線をチェック。階段を昇ったり降りたり、ドアをいくつも通り抜けたりでは不便です。雨の日の物干しはどこにするのかも確認。

調理は食材の買い出しシーンからスタートです。玄関から入るか、勝手口がほしいか。冷蔵庫と食品庫の大きさはOKか。家電の置き場はあるか。食器戸棚は配膳に便利な位置にあるか。配膳スペースにゆとりがあるかも要確認です。キッチンへ出入りするルートが複数あると、来客時でもリビングを通らず出前を受け取れるなど、気を使いません。生ゴミと分別ゴミを出すまでの置き場所確保も忘れないようにしましょう。

 

生活動線と家事動線をスムーズにした成功間取り

 

2階がブライベートな居室、1階がバブリックスなLD+和室、水回りというコンパクトなプラン。帰宅したら2階で着替えを済ませ、LDでくつろぎます。

 

家族のくつろぎを演出

リビング・ダイニングのプラン

 

くつろぎのシ—ンと食のシ—ンは。家族のコミュニケ—ションを育むもっとも大切なステージです。我が家にふさわしい理想のスタイルを思い描いてプランしましょう。

 

はじめにLDKのつながり方を決める

 

調理をするキッチン、食事をするダイニング、団らんのためのリビング。機能はそれぞれ違いますが、暮らしの中では密接なつながりが。それを形にすると下のようにタイプに分けられます。

たとえば、食事を作るところから家族が積極的に手伝う家庭では、DKをひと続きにするとよいでしょう。食べることが好きで来客も多いなら、広々使えるようLDは一緒のスペースに。食後は気分を変えて過ごしたいと思うなら、リビングを独立させた方が落ち着きます。これは応接間を兼ねて、リビングにフォーマルな印象をもたせたい場合にもふさわしいタイブです。目的をはっきりさせて選んでください。

 

LDはこのスタイルが基本

 

LDタイプ

キッチンが独立しているので、調理の臭いや煙が気になりません。食事から、食後の団らんへの移行はスムーズです。

 

DKタイプ

キッチンとダニングが同室なので、配艤や片付けがラク。食のシーンを家族で存分に楽しめます,

 

LDKタイプ

LDKをコンパクトにまとめられるため、小住宅でも採用可能。調理や片付けの間も子ども達の根子を見守ることができます

 

独立タイプ

それぞれの部屋の独立性が保たれ、落ちついた空間づくりが可能です。ただ、敵地面積に余裕がないと、圧迫感が出ます,

 

ゆるやかにつながるLDK

眺望を大切にし、2険にLDKを配置。対面式キッチンからLDが見渡せます。薪ストーブのあるダイニングとリビングはL字型で、ゆるやかなつながりを保っています。

 

人が集まる仕掛けを考えておきたい

 

LDは家族のコミュニケーションの要となる場所です。外出するとき、帰宅したとき、それぞれの個室へ移動するとき、LDを通る動線とするのか、声が聞こえる、姿が見えるなど気配が伝わる配慮をするのか、ほかの部屋とのつながりも考えて計画しましょう。

思春期を迎えた子どもが自室にこもってしまわないよう、LDは家中で一番居心地のいい場所にしたいものです。吹き抜けを設けたり、天窓(トップライト)や高窓で採光と通風を図ったり。LDに接した庭を取り込むようにインナーテラスを設ける、ウッドデッキを広げるなどすれば、アウトドアでのお茶やバーベキューを手軽に楽しむことができます

「火」も人を集める重要な小道具に。リビングに薪ストーブや暖炉があれば、雰囲気を盛り上げてくれます。AV機器を充実させホームシアターを兼ねる、みんなで使えるパソコンを置くなど、我が家なりのテーマを用意してみましょう。

また都市の密集地では2階にLDKを配置するプランもおすすめです。通風、採光が図られて見晴らしもぐんとアップ。1階に個室が集まることで1階の壁が増え、構造が安定するというメリットもあります。ただ、食材を運んだり ゴミを出したりするために上下移動が頻繁になります。階段をゆるやかにする、ゴミを一時的に置いておくサービスバルコニーを設置するなどひと工夫は必要です。

 

上下階でつなぐLDK

1睹にキッチン&ダイニング、2階にリビングというユニークな発想。オープンな階段と吹き技けでLDは十分気配を伝え合っています。2階リビングからは緑豊かな風景が臨めます。

 

出勤時と帰宅時、洗面や着替えはスムーズ?

 

毎日の行動がスムーズにできると住まいの快適度は格段にアップします。まずは夕方帰宅したときの様子を図面の上でシミュレーションします。起床、洗顔、着替え、食事、出勤。帰宅、着替え、食事、入浴、就寝などルートを順番にたどりながら、部屋同士の配置が家族の行動パターンとあっているかどうか確かめてみましょう。

浴室から寝室に行く際にリビングを通るルートだと、来客時に困ることがあります。適切な場所にグローゼットが配置されていなければ、リビングにコートが脱ぎっぱなしになったり、湯上がりにバスタオル姿でウロウロ、なんてことになりかねません。

大所帯の場合は、争いにならないよう洗面室を広めにとり、洗面ボウルを2個に。トイレも上下階に1つずつ用意しましよう。さらに防音材などで、上階のトイレの音が、下階に伝わらない工夫をすることでより快適な暮らしを実現できます。